『国宝』を観た。
FaceBook で多くの方々激賞していたこと、そして、先日対談させていただいた長尾和宏先生が「一万円払ってでも惜しくない、感動の映画」と仰っていたことが直接のきっかけだった。
早朝に起きて、ゲラの修正を編集者に送り、朝食を取って、すぐに映画館へ向かう。
三時間もあるというので、膀胱が破裂しないために、トイレに行って、その後、水は飲まないと決める。
映画の時間には間に合うが、ギリギリ。
しかし、映画は始まるまでの宣伝が多い。
始まったと思ったら、あっという間に引き込まれる。
歌舞伎が中心だと聞いていたので、ゆっくりとした展開が続くのだと思っていたが、冒頭から意表を衝かれた。
ヤクザと歌舞伎。
どちらも堅気ではない。
しかも、技量と同時に血統が重要になる。
内容について論ずると、これからご覧になる方々の邪魔になってしまうので、控える。
心動かされたのは、『曾根崎心中』を演じる二つの場面だ。
一度目も二度目も圧倒的な演技力、鬼気迫る役者魂を感じた。
最近観た邦画の中で最もよかった。
映画館の大スクリーンで見ると迫力満点。
また、歌舞伎の美そのものを感じることも出来る。
お勧めの作品だ。
俳優のことは全くと言って知らないのだが、主演した吉沢亮はすごい役者だ。
この作品に懸けた情熱が伝わる。
『国宝』は世界で勝負できる作品だ。
恐らく、多くの外国人たちも魅了する力を持っている。
日本の映画の底力を感じることが出来て、嬉しい一瞬でもあった。
もう一度、映画館に観に行きたい。

