すべてはゾス!(気合いのあいさつ)で解決できる。昭和の遺産を食いつぶす平成・令和の「気持ち悪い」風潮をぶっ壊す。戦後80年を知ることで偉大な日本を取り戻す。
新入社員のほうから「殴ってください!」と言ってくる日本一オープンな「ブラック企業」の「パワハラ社長」、まじめな政治学者なのに大御所司会者をも怒鳴りつける「罵倒系ユーチューバー」による、コンプラ無視、ポリコレ上等の超放談。
この記事では2025年8月1日刊行の、ゾス山本(山本康二社長)&岩田温・著『昭和が9割正しい!』より「まえがき」を全文公開いたします。
まえがき
現代は不思議な時代だ。表では「多様性を尊重しなくてはならない」と強調する時代だ。しかし、実際には多くの人々が息苦しさを感じている。「多様性を尊重しろ」と言う人たちは、自分たちの価値観は正しいとの前提で、他の人々の価値観を否定する。「色々な価値観があっていい」と言いながら、実際に認められる価値観はあらかじめ決まっている。建前と本音があまりにかけ離れてしまっている。口先だけの多様性にうんざりしている人が多いはずだ。
そんな時代の風潮に挑戦しているのが、ゾス山本だ。最初にお目にかかったのは、アベマ・プライムという番組だった。「ヤバい人が出てきた」というのが第一印象だった。朝礼の時間から「ゾス!」「ゾス!」と大声で叫んでいる動画を眺めると、一種の新興宗教のようにも見える。「ゾス真理教」なのかと揶揄する人もいるはずだ。若い社員を洗脳するおかしな経営者だとの批判もあるだろう。だが、ゾス山本は意に介さない。わが道を行く。
そもそも、体もデカいし、どうみても堅気には見えない。だが、私は変わった人が好きなので、どんなことを話すのか興味があった。実際にゾス山本が話し始めると、喋り方は乱暴だが、実に論理的だ。どこかで借りてきた知識ではなく、実際に経験したこと、体験に基づいた実話がベースになって緻密な論理が構築されている。
昨今では「働き方改革」と称して若者が働かないことが推奨されているが、これはおかしいと声をあげる。もちろん、過労死させるほど働かせることは間違っている。しかし、若く、エネルギーが充満している時期に、一生懸命働きたいと望む若者たちに「働くな!」と強制するのはナンセンスだ。むしろ、一生懸命働く若者たちを応援し、働き方を教えてあげる方が親切ではないか。
四の五の下らない理屈を並べ立てるよりも、実際に動いてみる。ダメなら、何がダメなのかを真剣に反省する。お客に怒られ、上司に怒られ、悔しくて涙を流す。だが、決して、諦めはしない。むしろ、再び立ち上がるための糧にする。それが健全な若者の姿ではないだろうか。
本来、誰もが通らなければならない道のはずだ。われわれの先輩たちはこうした困難な道を歩みながら、昭和の時代に奇跡の戦後復興を成し遂げた。奇跡とは、特別なことから生まれるわけではない。常識を徹底する中から生まれてくるのだ。失敗した際、反省すべきは反省し、諦めずに何度でも挑戦する。その繰り返しの結果が奇跡になる。
魔法のような奇跡は起きない。空は落ちてこないし、山は動かない。しかし、自分が真剣に汗を流して歩いたところに道が出来る。結果だけを見れば「奇跡」に見えるはずだ。だが、本質は毎日の努力と創意工夫にある。
ゾス山本は決して社員に対してきれいごとは言わないが、実際には社員たちのことを心から可愛がっている。赤の他人からすれば、心無い暴言に聞こえるかもしれないが、それは本音から出た助言なのだ。噓でまみれたきれいごとよりも、赤裸々な真実を語るのが特徴だ。
本書ではゾス山本の哲学の核心に迫ろうと様々な質問をしてみた。また、どういう生き方をしてきた結果、今のスタイルにいたったのかにも興味があったので掘り下げてみた。興味の赴くままに質問し、議論した。結果として現代の風潮に断固反逆する対談になったが、面白い経験だった。
世の中には噓があふれている。新聞、テレビ、学校の授業、大学の講義、会社の建前、そしてYouTubeの動画にすらきれいごとの形をした噓がはびこっている。噓は噓、真実は真実とのゾス・スタイルの対談が読者の皆様の刺激になることを望んで止まない。
習うより、慣れろ。読まないであれこれ考える前に、まず読んでみていただきたい。本屋で大声で叫んでほしい。「ゾス!」きっと、何か面白い発見があるはずだ。
令和7年7月6日 岩田 温