月刊日本4月号に岩田温の論説が掲載されました!

岩田温×山崎行太郎 今こそ「江藤淳」を読み返す③

【概要】
江藤淳の「転向」批判を巡り、小林秀雄との対談を機に江藤が『作家は行動する』を書き上げた背景を語り、江藤は「私」を大切に生きた誠実な作家であり、単純に転向したとは言えないと擁護する。さらに『危険な思想家』での松原新一の江藤淳論批判に触れ、「安全な思想家」という括りに反発しつつ、江藤の言説自体は変化しても、自己の内的誠実さを保ち続けた点にこそ価値があると強調する。イデオロギーに完全には生きられない現実の中で、父・子・胡麻を養う日常を持ち出しながら、純粋なイデオロギーだけで生きる人間は非現実的であり、むしろ生活と思想を両立させることこそ重要だと説く。また、真理は永遠には掴めず、常に問い続ける姿勢こそが思想家の誠実さであるとし、江藤の生涯全体を通じてその一貫した態度を高く評価している。

【参考文献】
江藤淳『作家は行動する』
江藤淳『成熟と喪失』
中野重治『村の家』
吉本隆明『転向論』
西尾幹二『歴史の真贋』
三島由紀夫『英霊の聲』
三島由紀夫『憂国』

【キーワード】
江藤淳の「転向」/誠実と役割/小林秀雄/危険な思想家/イデオロギーと現実/松原新一/吉本隆明/生活と思想の両立/真理は永遠につかめない/一貫性より誠実性