月刊日本8月号に岩田温の論説が掲載されました!

岩田温×山崎行太郎 今こそ「江藤淳」を読み返す⑥

【概要】
江藤淳のアメリカ論を本格的に論じたいとして『アメリカと私』を取り上げ、江藤が20代でプリンストン大学ロックフェラー財団の研究員として留学した経緯や、明治以来アメリカに留学した日本人が抱く屈折した対米意識を紹介する。江藤は加藤周一の「気取り」を許せず、日本語を大切にしながらアメリカ人になろうとする者への批判を展開したと述べ、同時に自身は国際文化振興会編『古典日本文学』の英訳講座を担当するなど、日本文学をアメリカに紹介する実践的努力を惜しまなかったと指摘する。さらに、江藤が原爆投下や沖縄への冷淡さといった日本人の対米卑屈さを厳しく批判する一方、アメリカの人種差別や「ウェイ・オヴ・ライフ」の欺瞞性、真珠湾やナチスのユダヤ人虐殺になぞらえたアメリカ批判をも展開していた点を紹介し、江藤の対米認識の両義性と一貫した「存在」への関心を強調している。

【参考文献】
江藤淳『アメリカと私』
江藤淳『文学と私・戦後と私』
江藤淳『閉された言語空間』
エドマンド ウィルソン『愛国の血糊』
加藤周一『読書術』
『日本古典文学大系』
折口信『日本文学史ノート』

【キーワード】
『アメリカと私』/プリンストン留学/加藤周一/ヴィリエルモ神父/日本文学の英訳紹介/原爆と沖縄への視座/ウェイ・オヴ・ライフ/アメリカの人種差別/真珠湾とナチス比較/対米認識の両義性