・特集≪私が考える救国内閣 理想の首相は誰?≫
・考察・保守主義「人は政治のみに生きるのか」
【概要】
本稿は「人は政治のみに生きるのか」と題し、革命政治が国家を絶対化し人間から悲しみや宗教を奪う危険性を論じる連載第七回である。冒頭で岡潔の悲しみ論を引き、政治や理性のみに還元できない人間の情緒に注目したうえで、フランス革命下の理性崇拝運動や「理性の祭典」を取り上げ、エベール派らが無神論を国是化し既存の宗教的・道徳的価値観を破壊した経緯を示す。続いてロベスピエールが無神論を放置すれば秩序が崩壊するとして「最高存在の祭典」を創始し、革命そのものを新たな宗教=「革命宗教」に仕立てた矛盾を、アーレントやマキャヴェリの立法者論、旧約聖書『ヨブ記』などを援用しつつ検討する。さらにポル・ポトやソ連の事例を通じ、国家が家族の絆や個人の信仰よりも優先される全体主義の論理を批判し、革命政治が個人の悲しみや宗教心を圧殺し人間性を歪める危うさを警告している。
【参考文献】
岡潔『情緒と日本人』
ハンナ・アーレント『過去と未来の間』
ミシェル・ヴォヴェル『革命詩人デゾルグの錯乱』
オーランドー・ファイジズ『囁きと密告』
『論語』
『旧約聖書 ヨブ記』
ニッコロ・マキァヴェッリ『ディスコルシ』
【キーワード】
政治と悲しみ/理性の祭典/エベール派/無神論運動/ロベスピエール/最高存在の祭典/革命宗教/アーレント/立法者論/全体主義と家族の絆/『ヨブ記』/マキャヴェリ
