月刊日本11月号に岩田温の論説が掲載されました!

岩田温×山崎行太郎 今こそ「江藤淳」を読み返す⑨

【概要】
江藤淳が三島由紀夫自決をめぐる小林秀雄との対談「歴史について」を、決闘に等しい厳しい対談であったと評し、三島の自決を病気とする小林に対し、堺事件や松陰・松陰事件を引き合いに反論した江藤の粘り強さを評価する。江藤の「ごっこ」論については、三島の『豊饒の海』における人工的なリアリティ構築を批判した鋭い視点だったとしつつ、大江の三島批判はイデオロギー的な単純化に陥りがちだと指摘する。さらに、大江や小林秀雄との対比を通じ、江藤の批評が一般的には合理性を欠くように見えても、歴史的事実に肉薄する迫力を持っていたと語る。晩年江藤が『南洲残影』で西郷隆盛に自らを重ね、三島とは距離を置きつつも割腹という現実に生涯こだわり続けたことを、政治的意義の変化とともに紹介している。

【参考文献】
江藤淳・小林秀雄「歴史について」『諸君!』1971年7月号
江藤淳「『ごっこ』の世界が終ったとき」『諸君!』1971年1月号
江藤淳『南洲残影』
三島由紀夫『豊饒の海』
三島由紀夫『憂国』
大江健三郎『セヴンティーン』
大江健三郎『政治少年死す』

【キーワード】
「ごっこ」論/三島由紀夫の自決/小林秀雄/「歴史について」/大江健三郎/『セヴンティーン』/楯の会/人工的リアリティ/割腹という現実/『南洲残影』と西郷隆盛/江藤淳