月刊正論9月号に岩田温の論説が掲載されました!

考察・保守主義「狂気を生む『国民の意志』の論理

【概要】
ルソー『社会契約論』の中核概念「一般意志」の危険性を検証する。まず「一般意志」を「個別意志」や単なる多数決である「投票の数」と区別し、共通の利益を志向する構成員全体の意志として位置づけるルソーの理論を確認しつつ、その具体的な現れ方が不明確であるという根本的欠陥を指摘する。続いてカール・シュミットの議論を援用し、「一般意志」の空白を埋めるものとして独裁的指導者が現れやすいこと、実際にワイマール共和国崩壊後のナチス・ドイツにおいて同様の論理が機能した歴史的事実を示す。さらにロベスピエールが「一般意志」を掲げてフランス革命の恐怖政治を正当化し、共同体の危機を口実に独裁権力を無期限に容認する論理を導いた経緯を詳述し、福田歓一の解釈も参照しながら、「一般意志」という抽象的概念が容易に全体主義や恐怖政治に転化する危うさを警告している。

【参考文献】
ジャン=ジャック・ルソー『社会契約論』
カール・シュミット『現代議会主義の精神史的状況』
福田歓一『ルソー』

【キーワード】
ルソー『社会契約論』/一般意志/個別意志・全体意志/カール・シュミット/ワイマール共和国/ナチス・ドイツ/ロベスピエールと恐怖政治/独裁の正当化/中間組織・自治団体/福田歓一の解釈