月刊正論8月号に岩田温の論説が掲載されました!

考察・保守主義「独裁者を生んだフランス革命」

【概要】
革命の暴力性が特定の思想家や派閥に限らず、政治そのものの本質に根差していたことを論じる連載第四回である。カール・シュミットの友敵理論を援用し、政治的複数性を否定して敵対者を非人間化する二元論的思考が、ジャコバン派だけでなく革命全体に浸透していたと指摘する。連合赤軍やロラン夫人・マリー・アントワネットの処刑、ジロンド派とジャコバン派の凄惨な内部粛清の実例を挙げ、革命の「同志殺し」が繰り返された構造を示す。さらにロベスピエールの「徳と恐怖」の論理を検討し、シュミットの「例外状態」論を手がかりに、革命政権が非常時において徳の実現のために恐怖=暴力を必要とした理路を解明する。地方の統制経済政策への反発から広がった終わりなき粛清の連鎖も描き、革命の恐怖政治が理念そのものに内在した必然であったことを浮き彫りにしている。

【参考文献】
カール・シュミット『政治的なものの概念』
『カール・シュミット著作集』
ジュール・ミシュレ『フランス革命史』
レオ・シュトラウス『僭主政治について』
ピーター・マクフィー『ロベスピエール』
ジャン=クレマン・マルタン『ロベスピエール』

【キーワード】
フランス革命/カール・シュミット(友敵理論)/非人間化の論理/ジロンド派とジャコバン派/ロベスピエール/徳と恐怖/例外状態/統制経済政策/恐怖政治の必然性