月刊日本10月号に岩田温の論説が掲載されました!

岩田温×山崎行太郎 今こそ「江藤淳」を読み返す⑧

【概要】
特攻隊員の遺書に「感謝」や「任務」「使命」といった言葉が頻出することを挙げ、特攻を美化するのではなく、彼らが誇りを胸に行動していたことを理解すべきだと述べる。また江藤淳が占領軍による検閲研究の先駆者であり、『閉ざされた言語空間』などを通じてGHQの検閲が戦後民主主義の形成にいかに深く影響したかを実証的に論じた点を高く評価し、この分野が江藤以前にはほとんど手つかずだったと指摘する。さらに福田恆存との違いに触れ、江藤が検閲下にあっても「静かなる空」といった詩を通じて執筆し続けた事実を紹介し、日本の戦後文学が不毛だったのではなく、検閲や憲法の問題を語らずにいたことが最大の欠陥だったと論じる。また大西郷遺訓や大イスラエル主義といった歴史的視座を交えつつ、経験だけを絶対視する福田の姿勢を批判し、江藤の実証的な研究態度の価値を強調している。

【参考文献】
江藤淳『閉ざされた言語空間』
江藤淳『落葉の掃き寄せ』
江藤淳『忘れたことと忘れさせられたこと』
江藤淳『一九四六年憲法』
河盛好蔵「静かなる空」
『南洲翁遺訓』

【キーワード】
特攻隊員の遺書/検閲研究の先駆者/『閉ざされた言語空間』/GHQと戦後民主主義/検閲/河盛好蔵/福田恆存/戦後文学/一九四六年憲法/実証的研究態度