月刊日本6月号に岩田温の論説が掲載されました!

岩田温×山崎行太郎 今こそ「江藤淳」を読み返す④

【概要】
江藤淳が小林秀雄をめぐって「政治をめぐる転向」と「文体論をめぐる転向」という二つの転向を主張していた点を整理し、自身は小林秀雄の「存在」の中で反省しない姿勢を鋭く追及したと語る。江藤は『小林秀雄』において、小林の思想と実体の関係を徹底的に問い、「作家は行動する」を書いた頃から一貫して「存在」の問題にこだわっていたと指摘する。特に『ひかりごけ』評をめぐり、江藤が武田泰淳との対談で人肉嗜食という行為を端的にイメージ化する小説の手法を高く評価していたことに触れ、江藤にとって「存在」とは「我在り、しかしなにゆえに」という根源的な問いであったと論じる。さらに、小林秀雄の翻訳や近代化論を通じて、日本の開化が「上滑り」であったという小林の指摘を江藤も継承しつつ、戦後日本において「存在」を追求できるかどうかという課題こそが江藤淳を貫く思想の核心だったと総括している。

【参考文献】
江藤淳『小林秀雄』
江藤淳『作家は行動する』
武田泰淳『ひかりごけ』
小林秀雄『Xへの手紙』
夏目漱石『現代日本の開化』
小林秀雄『近代絵画』
小林秀雄『ドストエフスキイの生活』

【キーワード】
小林秀雄と江藤淳/二つの転向(政治・文体)/「存在」への追求/『ひかりごけ』/作家は行動する/近代化と上滑り/翻訳と近代絵画論/武田泰淳/ドストエフスキー論

月刊正論5月号に岩田温の論説が掲載されました!

考察・保守主義「フランス革命は進歩にあらず」

【概要】
革命礼賛の風潮とバークによる批判を対比しつつ、フランス革命史の実像を検証する連載第二回である。バークは『フランス革命の省察』において、抽象的権利を掲げて旧体制を暴力的に破壊した革命の粗暴さを批判し、ペインらの反論を退けた。続いて、歴史を目的論的必然とみなす「歴史主義」の誤りを指摘し、ルイ十六世が実際には啓蒙的で寛容な、開明的な君主であった実像を紹介する。バスティーユ牢獄襲撃の実態や、群衆が扇動によって暴徒と化していく過程、ロベスピエールによる恐怖政治への傾斜、マリー・アントワネットへの残虐な虐殺などを詳述し、革命が理想とは裏腹に大量殺戮と混乱をもたらしたことを示す。最後に、王の処刑を正当化した革命家の言説を引きながら、狂気に満ちた革命の暴力性を改めて浮き彫りにしている。

【参考文献】
エドマンド・バーク『フランス革命の省察』
トマス・ペイン『人間の権利』
スタール夫人『フランス革命文明論』
ピーター・マクフィー『ロベスピエール』
ピーター・マクフィー『フランス革命史』
ジャン=クリスチャン・プティフィス『ルイ十六世』
ジュール・ミシュレ『フランス革命史』

【キーワード】
フランス革命/エドマンド・バーク/歴史主義批判/ルイ十六世/バスティーユ牢獄襲撃/ロベスピエール/恐怖政治/マリー・アントワネット/進歩史観への批判

月刊日本4月号に岩田温の論説が掲載されました!

岩田温×山崎行太郎 今こそ「江藤淳」を読み返す③

【概要】
江藤淳の「転向」批判を巡り、小林秀雄との対談を機に江藤が『作家は行動する』を書き上げた背景を語り、江藤は「私」を大切に生きた誠実な作家であり、単純に転向したとは言えないと擁護する。さらに『危険な思想家』での松原新一の江藤淳論批判に触れ、「安全な思想家」という括りに反発しつつ、江藤の言説自体は変化しても、自己の内的誠実さを保ち続けた点にこそ価値があると強調する。イデオロギーに完全には生きられない現実の中で、父・子・胡麻を養う日常を持ち出しながら、純粋なイデオロギーだけで生きる人間は非現実的であり、むしろ生活と思想を両立させることこそ重要だと説く。また、真理は永遠には掴めず、常に問い続ける姿勢こそが思想家の誠実さであるとし、江藤の生涯全体を通じてその一貫した態度を高く評価している。

【参考文献】
江藤淳『作家は行動する』
江藤淳『成熟と喪失』
中野重治『村の家』
吉本隆明『転向論』
西尾幹二『歴史の真贋』
三島由紀夫『英霊の聲』
三島由紀夫『憂国』

【キーワード】
江藤淳の「転向」/誠実と役割/小林秀雄/危険な思想家/イデオロギーと現実/松原新一/吉本隆明/生活と思想の両立/真理は永遠につかめない/一貫性より誠実性

松下創一郎先生の区政報告会に講師としてお招きいただきました!

豊島区議会議員松下創一郎先生の区政報告会に講師としてお招きいただきました。

写真上から

岩田温

松下創一郎先生
大阪府豊中市出身
甲陽学院中・高→京都大学工学部(土木工学科)→京都大学大学院(コンクリートの研究)→
清水建設→議員秘書・塾講師などを経て豊島区議会議員(3期目)
https://x.com/omatsu20

高麗啓一郎先生
大阪府豊中市生まれ
保険会社勤務、衆議院議員公設秘書、練馬区議会議員を経て豊中市議会議員を2期務める
現在、自由民主党大阪府第八選挙区支部長
https://x.com/kouraikei

千葉県議の折本龍則先生と講演会を開催いたしました!

この度千葉県議会議員(浦安市選出)の折本龍則先生と市川市で講演会を開催しました。
たくさんのお客様にご参加いただき厚く御礼申し上げます。

・折本龍則先生
浦安市選出。完全無所属・会派「有志の会」。前浦安市議。堀江出身、日の出小中卒業、早稲田大学高等学院、早稲田大学政経学部卒(雄弁会)。インドでチベット人への日本語教育に従事。言論誌『維新と興亜』主宰。著書『崎門学と保建大記』『日本再建は水戸学国体論から』他。

『自民党が消滅する日』が現代ビジネスで紹介されました!

岩田の新著『自民党が消滅する日』が現代ビジネスで紹介されました!

・「自民党よ、お前はもう死んでいる」… 保守系政治学者・岩田温が警鐘する「自民党が消滅する日」への”ヤバすぎる危機感”と「日本が消滅しないため」に”今やるべきこと”

https://news.yahoo.co.jp/articles/b46ac4e91f9a7b0aaab5fd7616ece08bf59f9c97

月刊正論4月号に岩田温の論説が掲載されました!

考察・保守主義「根本的な間違いは…」

【概要】
「保守」という言葉が安易なスローガンとして濫用される現状を批判し、真の保守主義とは何かを問う連載第一回である。宇野重規や仲正昌樹の概説書を紹介しつつ、両者の議論には政治哲学的な深みや、制度への根源的な愛着が欠けているとの違和感を提示する。続いてハンナ・アーレント『エルサレムのアイヒマン』をめぐる論争を取り上げ、アイヒマンの弁明やユダヤ人指導者への批判を通じて、アーレントに「ユダヤ人への愛」が欠如していたとされる経緯を検討する。さらに坂本多加雄の議論を引きつつ、昭和天皇の御平癒祈願の記帳に見える国民的共同体意識や、祖国を愛する心情こそが保守主義の基盤だと論じ、精神論ではなく具体的な帰属意識に根ざした保守思想の必要性を訴えている。

【参考文献】
宇野重規『保守主義とは何か』
仲正昌樹『精神論ぬきの保守主義』(新潮選書)
エドマンド・バーク『フランス革命の省察』
デイビッド・ヒューム『人間本性論』
ウォルター・バジョット『イギリス憲政論』
ハンナ・アーレント『エルサレムのアイヒマン』
『アーレント=ショーレム往復書簡』
坂本多加雄『象徴天皇制度と日本の来歴』

【キーワード】
保守主義/エドマンド・バーク/制度(インスティテューション)/漸進的改革/ハンナ・アーレント/『イェルサレムのアイヒマン』/悪の陳腐さ/ユダヤ人への愛/坂本多加雄/帰属意識/愛国心