安倍元総理慰霊祭に講師としてお招きいただきました!

この度、大阪護国神社で開催された安倍元総理慰霊祭に岩田温が講師としてお招きいただきました。
安倍元総理の功績を振り返りながら、現代日本の抱える諸問題と、高市政権への期待について、講演させていただきました。

講演会の詳細は下記の産経新聞の記事でもご確認いただけます!

【産経新聞】「日本のため走り抜けた人生」大阪護国神社で安倍元首相の慰霊祭、高市首相に憲法改正期待

月刊正論8月号に岩田温の論説が掲載されました!

考察・保守主義「人は何のために生きるか」

【概要】
ルソーの『社会契約論』における論理破綻を検証する。まずホッブズの社会契約論を確認し、共同体は構成員の生命保存を目的とするが、他人の生命を守るためであれば自らの生命を犠牲にすることも合理的でありうるとルソーが論じた点を紹介する。続いて、国家防衛のために死を求めることと「他人のために死ぬ生命の方が自分の生命より価値がある」という論理の矛盾を指摘し、ルソーがこの破綻を自覚しつつ「公民宗教」という装置を持ち出し、祖国のために死ぬことを宗教的義務として国民に強制しようとした過程を詳述する。さらに公民宗教を信じない者を追放し、時には死をもって罰するという不寛容な処方と、キケロやカトーの「不死の魂」を求める古代的死生観との対比を通じて、ルソーの思想が全体主義体制の理論的先駆けとなった危険性を論じている。

【参考文献】
トマス・ホッブズ『リヴァイアサン』
ジャン=ジャック・ルソー『社会契約論』
アントニー・ビーヴァー『スターリングラード』
キケロ『老年について』
ドラッカー『産業人の未来』

【キーワード】
ルソー/『社会契約論』/公民宗教/祖国防衛と死の義務/不寛容と追放・処罰/ホッブズとの対比/キケロ/カトー/全体主義の理論的先駆け/宗教による国民統合/「善き市民」と「忠実な国民」

月刊日本7月号に岩田温の論説が掲載されました!

岩田温×山崎行太郎 今こそ「江藤淳」を読み返す⑰

【概要】
小島信夫『別れる理由』を野間文芸賞選考委員でさえ読み切れなかった作品として紹介し、江藤淳が「時が失われる」というタイトルに関するプルーストへの言及を取り上げつつ、この長大な作品を評価する困難さを語る。江藤の小島論については、『自由と禁忌』や『成熟と喪失』で展開されたアメリカ論との関連性を指摘し、小島の文体がアメリカの影響を受けた「身の部分」への執着を持つ点に江藤が注目していたと論じる。また、『別れる理由』が通時的な時間軸を拒否し、過去と現在が併存する独特な文体を持つことを紹介し、江藤自身の文体もそれに少し似ていると指摘する。さらに、夏目漱石『坊っちゃん』『それから』『明暗』などを引き合いに、漱石が問題を解決せず読者に委ねる文学的姿勢を継承した作家として小島や江藤を位置づけ、後世に残る文学とは何かという問いを投げかけている。

【参考文献】
小島信夫『別れる理由』
江藤淳『自由と禁忌』
江藤淳『成熟と喪失』
夏目漱石『坊っちゃん』
夏目漱石『それから』
夏目漱石『明暗』
夏目漱石『吾輩は猫である』
三島由紀夫『鏡子の家』

【キーワード】
『別れる理由』/野間文芸賞選考/プルースト/アメリカ論と小島文学/通時的時間の拒否/過去と現在の併存/夏目漱石の系譜/問題を解決しない文学/後世に残る作品/江藤の文体との類似

月刊正論7月号に岩田温の論説が掲載されました!

考察・保守主義「国家は何のためにあるか」

【概要】
本稿は「国家は何のためにあるか」と題し、ホッブズの国家論における国防の論理的位置づけを検証する。まずロバート・ケーガンのネオコン的国際政治観と、カントの「永遠平和のために」との対比を通じ、国際社会における「自然状態」の扱いを整理し、ホッブズ自身が国際政治について明確に論じなかった点を指摘する。続いて『リヴァイアサン』を精読し、国家が国民の生命と安全を守るために成立するという論理を確認しつつ、外敵からの侵略に対する国防義務がホッブズの社会契約論において意外にも希薄であることを詳しく検討する。特に「暴力的な死への恐怖」を国家設立の根拠としながら、兵士に臆病さを理由とした戦線離脱の権利を認めるホッブズの論理が、国家防衛の責務と自己保存の権利との間で矛盾を孕んでいることを示す。最後に、ホッブズが結局「貴族の徳」を全面否定しきれず、勇気という徳の必要性を認めざるを得なかった逆説を、バークとの対比も交えて論じている。

【参考文献】
ロバート・ケーガン『ネオコンの論理』
イマヌエル・カント『永遠平和のために』
トマス・ホッブズ『リヴァイアサン』
レオ・シュトラウス『ホッブズの政治学』

【キーワード】
ホッブズ/『リヴァイアサン』
国家防衛の論理/暴力的な死への恐怖/臆病と戦線離脱の権利/貴族の徳/国際政治とネオコン/カント/永遠平和のために/自然状態/社会契約論の矛盾

月刊日本6月号に岩田温の論説が掲載されました!

岩田温×山崎行太郎 今こそ「江藤淳」を読み返す⑯

【概要】
江藤淳が丸谷才一の小説『裏声で歌へ君が代』を高く評価し、丸谷との親交を通じて自著『自由と禁忌』でも詳しく論じていたことを紹介する。丸谷が国家や死をエリート層に押しつけながら、大衆にはそれを求めないという構造を鋭く描いた点、また占領軍民間検閲支隊(CCD)の検閲方針を「裏声で歌へ君が代」の枠内に取り込み、戦後日本のリアリティを問い直した点を評価する。さらに、江藤自身が政治評論において「答えのない問い」を考え続けた作家であり、梨田や田辺元らの国家論を通じて、戦時中エリート層が特攻隊員らに死を求めながら自らは安全な場所に留まっていた欺瞞を批判していたと指摘する。加えて、丸谷や江藤が純文学と大衆文学、あるいは国家と個人の関係をめぐる本質的な問いを、答えの出ない形のまま提示し続けた点にこそ、両者の文学的誠実さがあると論じている。

【参考文献】
丸谷才一『裏声で歌へ君が代』
江藤淳『自由と禁忌』
江藤淳『閉ざされた言語空間』
プラトン『国家』

【キーワード】
『裏声で歌へ君が代』/丸谷才一/答えのない問いを考え続ける/CCD(占領軍民間検閲支隊)/エリート層と大衆の欺瞞/純文学ごっこ/国家と死/田辺元の国家論/政治評論の本質/文学的誠実さ